天鳳 公式完全攻略読本 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

最近場代チャラさんに触発されて、天鳳をやり込んでいました。

場代チャラさんはもともとはリアル派で、数ヶ月前に天鳳をやり始め、すごい勢いで昇段しています。

リアル寄りということと、天鳳は私の方が早く始めたので、勝手に対抗意識を燃やしていました(笑)

確変がきてくれたこともあり、お陰様で六段へ復帰することができました。

 

rokudann

しかし天鳳のガチってきついですね。

 

2015.9.17.1

今月も順調と言えば順調なのですが、もうここまでという感じです。

この配分はきつすぎて私には無理そうです。

相当に打数をこなせばもしかしたら何とかなるかもしれませんが、五から六段へ復帰するのに9ヶ月くらいかかったことを考えると、先が長すぎてもういいやとも思えてしまいます。

場代チャラさんも一回六段で降段を経験し、私と同じような奇跡を辿って今大体同じようなところにいますが、きっと私を超えて鳳凰卓入りすると思います。

天鳳では一回当たりましたが、今度リアルでやってみたい相手です。

 

さて今回はオンライン対戦麻雀天鳳公式完全攻略読本をレビューしようと思います。

 

定価 1400円+税

ページ数 223

出版社 洋泉社

著者 ネマタ

編者 福地誠

初版第一刷発行 2015.7.28

対象 天鳳プレイヤー

 

ネマタとは現役の僧で、現代麻雀技術論の著者です。

福地誠とは麻雀ライターで、天鳳名人戦にも出ており、雀ゴロ歴もあります。

二人はこの本に限らずよく麻雀本を出版しており、その都度よく売れています。

今回は天鳳に特化した本ということで、対象を麻雀ではなく天鳳とかなり絞り込んでいます。

 

内容は上級卓攻略、特上卓攻略、鳳凰卓攻略、天鳳特化と四編に分かれています。

上級卓攻略、特上卓攻略は更に10個くらいのテーマに分かれており、左ページが説明、右ページが牌姿とその解説、テーマが終わる毎に確認ドリルといった感じです。

鳳凰卓攻略は天鳳位8人の鳳凰卓を勝ち抜くための訓戒みたいなことが書かれています。

天鳳特化は天鳳に特化した段位別の押し引き表と、ラス回避のための何を切る問題があります。

そして所々に天鳳プレイヤー図鑑とコラムがあります。

 

この本を読み終えた正直な感想は、そんな事知ってるよというな内容のものばかりでした。

これで完全攻略というのは、大分行き過ぎているよな気がします。

逆によく恥ずかしくもなく、天鳳完全攻略なんて付けれたなと思いました。

売れれば何でもいいという考えなのでしょうかね。

 

完全攻略というのはそもそも、対象がソフトなんかに使われる表現であって、人相手には当てはまらない表現です。

天鳳完全攻略ということは、7~8割方は麻雀完全攻略と言っているようなものです。

この本に正しいタイトルを付けるなら、天鳳上達のための基礎知識とか、天鳳上達のための覚えておくべき牌姿とかいったものがふさわしいです。

 

これで完全攻略と言ってしまえば、もう何も言う言葉がありません。

評価に値しないというのが評価になってしまいます。

 

これを読んで上級卓の人が十段や天鳳位になれますか?

それも再現性を考慮して何回もです。

そういう人が量産できるなら、この本をもって完全攻略と言ってもいいと思いますが、はっきり言って無理ですよね。

 

それでも敢えて「天鳳完全攻略」という言葉をタイトルに含めるなら、せめて上級卓攻略、特上卓攻略、鳳凰卓攻略3巻に分けて、もっと詳しく立体配図でポイントを具体的に解説するべきです。

例えば特上卓攻略なら、鳴き手やヤミテンに対する押し引きが重要だと思われますが、そういった局面をピックアップして具体的に解説するといった感じです。

 

2015.9.17.2

適当に私の牌譜の中からピックアップしましたが、こんな局面で今西をツモったところですが、親でももう上家の仕掛けに対して降りなければならない局面です。

上家が字牌が一枚も切っていないのと、赤五筒が不気味すぎます。

こちらは手がバラバラで、間違っても字牌は切ってはいけません。

 

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私は対面のスジの七萬を落とし降り発動です。

手牌を開けて見ると上家はほとんど字一色ですね。

 

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ハイテイで対家が六索をつもり、発を切って放銃してしまいましたが、本当はここも三萬か五萬を切って降りるべきところなのです。

もう通っていないスジは限りなく少なく、待ちはどう考えても字牌くらいしかありません。

いくらテンパイ料が欲しいとは言え、これは当たるに決まっています。

 

麻雀の次の一手というのはある程度好みで自由に選んでいいと思いますが、麻雀にはこの局面これは絶対に切ってはいけないという手が存在します。

この局面はその好例だと思います。

 

こんな感じで押し引きのポイントとなる局面をピックアップして、解説してやる方がよほどためになると思います。

 

この本は天鳳完全攻略本として見たら全然ダメですが、麻雀の基礎を作る或いは確認するといったことには打て付けだと思います。

昔フリーでおっさんに「あんた持ち時間が長いよ。」と言われたことがありますが、昔は自分も基礎ができておらず、よくイーシャンテンかリャンシャンテンで何を切るか悩んでいました。

この本はそういったよく迷いそうな牌姿が感心するくらい詰め込まれており、私は基礎の確認といった使い方をしようと思っています。

いくつか例を見ていきます。

 

P27 牌2

二二三七八九②④⑥⑥⑦⑧23

ここで何を切るかということですが、雀頭を残す打三が正解となっています。

当たり前ですが、重要な例だと思います。

 

P158「打数は正義」

9代目天鳳位就活生@川村軍団の言ったことですが、これは中々の名言だと思いました。

 

P169

南三局 ドラ九  ほぼ平たい場の親の手

五1113337788 ツモ7

ここで何を切るかという問題ですが、ほとんどの天鳳位は切りリーチと答えていました。

私の感覚では四切りダマの一手(ツモスー、ロンなら12000で十分)なのですが、そう答えている天鳳位は一人もいませんでした。

しかし切りリーチは感触が悪すぎて絶対真似できませんね(笑)

 

天鳳 公式完全攻略読本

強者の最新手筋100 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

先日とある雀荘で場代チャラさんと出くわしました。

私と入れ違いになる形で着卓していましたが、大きな笑みを浮かべており、その姿には余裕が感じられました。

この人きっと勝つんだろうなと思い、後にしました。

 

さて今回は「ネット麻雀完全対応! 強者の最新手筋100」をレビューしようと思います。

 

定価 1490円+税

ページ数 230

出版社 マイナビ

著者 比嘉秀仁

初版第一刷発行 2015.6.30

対象 上級者(天鳳七段以上)

 

比嘉秀仁とは日本プロ麻雀協会所属のプロで、本名をIDにして天鳳もやっておられ、十段経験者でもあります。

私がこのプロを知ったのも天鳳からですが、本名をIDにしているところが面白いなと思い、好感を持っていました。

他にも本名をIDにして天鳳を打っているプロがいますが、結構リスクがあって中々できることではないと思います。

 

この本はネット麻雀天鳳とリアル麻雀フリーの中から100の局面を厳選し、立体配図のまま天鳳で実績を出されている方々に、次にどうするかを答えて貰うという珍しい形式になっています。

1題につき回答者は3人います。

 

テーマを立体配図にするというのは、麻雀を扱う上では重要なことだと思います。

同じ手牌でもどう捌いていくかは、場況によって異なりますからね。

ホーリー本も雀ゴロK本も平面図でシンプルにしすぎている嫌いはありましたが、この本はその点がしっかりしています。

 

またネット麻雀を中心に扱われた本というのも、今まで無かったのではないでしょうか。

ベタオリをテーマにした次の一手問題なども珍しいと思いました。

 

いろいろ斬新な試みが感じられ、独創性のある麻雀本だと思いました。

きっと本人も今までになかった物を作りたかったのではないでしょうか。

 

しかし扱われているテーマですが、非常に難解な局面が多く、回答者でも意見が分かれていました。

やはり麻雀に限っては感性も重要で、答えは一通りではないというのが改めて分かりました。

考えるべきポイントは大体一致しているのに、なぜ回答は異なるのか、麻雀の不思議なところです。

きっとそれぞれの感覚でバランスを取っているのだと思います。

 

この本は麻雀上級者向けです。

天鳳ですと七段以上で、鳳凰卓で成績が伸び悩んでいる人とかが対象です。

 

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ちなみに私は相変わらず五段ですが、私にとっては難しく返って劇薬です。

ぶっちゃけ私くらいの雀力でしたらどっちでもいいのです。

 

もっと切り詰めるべきところは他にあります。

例えば以下の局面です。

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オーラスの親でラスを回避したい局面です。

ラス争いの上家からリーチが入っており、ツモは後一回で七筒を持ってきたところですが、あなたなら何を切りますか?

 

2015.8.17d3png

よくよく考えたら、喰ったゲンブツの四萬を切っていくより無さそうですが、私は七筒をツモ切って放銃してしまいました。

こちらの方がテンパイになる確率は高いと踏んだのですが、さすがに危険過ぎました。

次の私のツモが五索だったのが悔やまれる一局です。

 

このように特上卓くらいの人であれば、上級者でも意見が分かれるような難問は必要なく、単純にケアレスミスを無くすように努めた方が勝率が伸びると思います。

 

 

具体例を挙げますとP175

東一局 2巡目 西家

二三三五④⑤⑥⑦⑦⑧⑨8発 8ツモ ドラ発

東初の平たい局面で8をツモり、2巡目にして早くもイーシャンテンという手牌で何を切るかという問題で、回答者は全員発切りで一致していました。

 

しかし私の感覚では⑦を切る一手なのです。

この手牌で発を鳴かれても嫌ですし、後で被っても嫌です。

親でもなく赤も無い打点の安いこの手牌なら、発を絞り気味に打ちたいです。

その後に一が入ったら発切りダマ、四が入ったら発切りリーチです。

これも一理ある考えだと思います。

 

どちらが正しいとかではなく、その後に打牌のスジが通るようにバランスを保って打てればそれでいいと思います。

要は好みの問題だとということです。

 

2015.8.17d4png

上述の牌姿によく似た手が入りました。

この本を読む前でしたら、私なら多分八筒を切っていたと思います。

しかし上述の問題が頭をよぎり、中を切るものなのかな?と思い中を切ってしまいました。

 

2015.8.17d5png

すると2巡目に中をツモり、五巡目にも中をツモりやるせなかったです。

 

劇薬というのはつまりこういう事で、自分の打ち方にぶれが生じてしまうのです。

ある程度自分の打ち方が確立されている(中級者で天鳳なら特上卓クラス)なら、ほとんど好みと取れるようなところは置いておいて、それよりもミスをしないように心掛けた方がよほど重要かと思います。

 

鳳凰卓クラスになって、もうほとんど切り詰める所がなくなってきた時は、この本はもしかしたら新たな道しるべになってくれるかもしれません。

 

強者の最新手筋100

フリー麻雀で食う超実践打法 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

先月ある麻雀本を買ってリアルで試しているのですが、めちゃめちゃに負けまくって麻雀がよく分からなくなってしまいました(笑)

6-10-7-13(7回ハコラス)という対戦成績で、対人収支-48600円、場代込みで-69800円です。

ひどいラス率で、いくら何でも負けすぎですね。

サンプル数が少なくただ単に下振れの可能性もありますが、今回はこの本をレビューしてみようと思います。

それはずばり「純黒ピン東メンバーが教える フリー麻雀で食う超実践打法」です。

 

定価 1300円+税

ページ数 223

出版社 彩図社

著者 雀ゴロK

初版第一刷発行 2015.7.13

対象 麻雀初心者~上級者

 

雀ゴロKとは20台の若きピン東雀荘のメンバーで、麻雀で随分稼がれている人です。

2014.1~2015.5まで、メンバーとしての対人成績が+410万2200円(7613回)という実績で、間違いなく最強に部類する打ち手です。

地元の愛知に雀荘を開くという夢があり、その開業資金を麻雀で稼ぎ、今物件を探しているみたいです。

ブログも運営されています。

 

まずはじめに、私は麻雀の強い人というのを尊敬しています。

麻雀の強い人というのは、長期的に見て勝率がいい人のことです。

理由は、それが如何に大変なことかということが分かるからです。

私も実に多くの人とたくさん麻雀を打ってきましたが、麻雀の場合長期的に勝つには、技術の他にメンタルが強くないとできません。

この本にも書かれていますが、麻雀はどうしても運が絡むため、どんなに強い人でも長くやれば必ず負けが込む時がきます。

仮に正しい打ち方ができたとしても、確率の低いことが連続で起こって負けてしまうのです。

その時こそ麻雀打ちは真価を問われますが、メンタルの強い人はその壁を乗り越えることができます。

麻雀に限らずメンタルの強い人というのはやはり尊敬に値しますが、麻雀で結果を残しているということは、少なくともメンタル強者の証だと思っています。

ですので雀荘のメンバーが長く務まるというのは、実はそれだけでも大変すごいことなのです。

 

ちなみに私はメンタルが弱いです。

多分最弱の部類だと思います。

ですので負け続けると打ち方が雑になってしまいますから、負け続けたらラス半掛けて止めるということで制御してきました。(イライラした状態で打ち続けるのが一番まずい。)

汚く言えば逃げてるのですが、それでも一晩も経てばまたリフレッシュした状態から始めることができます。

しかしメンバーの場合は麻雀を打つのが仕事ですから、不調だから止めとくというわけにはいきませんからね。

それを考えるとDORA麻雀は本当に気軽だと思います。

 

さて話は戻りますが、この本を読み終えて(やはり5日掛かりました)、この麻雀の感覚はホーリーに近いというのが第一印象でした。

最短距離で手なりで打って即リーを掛けるところといい、多少遠いところからでも愚形は鳴いて解消するところといい、バックの仕掛けも積極的に取り入れるところといい、先手を打たれたら中抜きして降りるところといい、チートイよりもトイトイを目指すところといい、これが現代麻雀の勝つ戦略の一つなんだなというのが改めて分かりました。

 

ホーリー本のようにグラフに裏打ちされたデータというのはありませんが、例が非常に分かりやすく、いい例を厳選してるなと思いました。

さすがに実戦派の書いた本という感じでした。

 

いい例だなと思ったのが以下の手牌です。

P153図A 一二三五六③③④56788 ドラ一

ドラのある好形シャンテンですが、基本的にはリーチが掛かったら降りみたいです。

スジだったらともかく、これぐらいの手牌では無スジは押していけないなというのが改めて分かりました。

 

非常に感心したのが以下の手牌です。

P101図C 二二五六八③④1259東 ドラ北

この手牌では二五七は鳴くみたいです。

ペンチャンは捨てて、赤による打点と祝儀そしてスピードを意識しながら打つんだなと思いました。

9が6か7くらいだったらメンツの形が見えてくるから鳴けそうですが、この状態では意識してなければ鳴けないなと思いました。

一応123のメンツが見えていますからね。

 

そんなもんかなと思ったのが以下の手牌です。

P165図B 二二六七234567 中ポン ドラ①

典型的な千点仕掛けですが、良形なら基本的には親リーにもゼンツするみたいです。

私なら12000が見えると弱気になって、スジとかがあればそれで降りてしまいそうですが、半端なことをするんだったらテンパイなら突っ張っていく方がいいんでしょうね。

上がりトップの条件とか、積み棒(特に本場が1500点なら尚更)や供託リー棒がある場合なら分かりますが、少し怖いですね。

 

疑問に思ったのが、愚形リーのみでも先制なら即リーするところと、一発消しするための鳴きは原則しないというところです。

先制愚形リーチで、最近こっぴどい負けが続いています。

追っかけられて相手のロン牌を掴み、高い手に放銃と言うパターンが続いて、5回連続でハコラスになりました。

ちなみに6回目はトップですが、7回目はやはりハコラスでした。

ハコラス自体がそもそも20局に1局くらいしかないため、よほどひどい負けっぷりです。

今月偉く負けてますが、愚形リーチでの指し合い負けというのが一番大きな原因です。

同卓したメンバーさんに聞いてみたのですが、仕方のないパターンだそうです。

しかし本当にそうなのでしょうか?

 

愚形リーチというのは打点が安い場合は、やはり相手を牽制させ降ろさせるという意味合いの方が強いですから、割とリーチに押してくるタイプには分が悪くなるケースが多いです。

私がこれだけリーチの叩き合いで負けて得た教訓は、愚形リーチというのはよくよく相手を選ぶ必要があるということです。

リーチに対して降りすぎるきらいのある人には有効かもしれませんが、押し気味のタイプには止めておく方が無難だと思います。

押し気味のタイプにリーチを掛ける時は、そこそこの打点か待ち数、或いは両方を用意しておく方がいいということです。

 

麻雀は腕で上がり牌を引けるゲームではありませんから、打点の安い愚形リーチを掛けるくらいだったら寧ろリーチを掛けないで、相手のロン牌を止めれるメリットを残しておく方がベターなのではと思います。

 

また一発消しに関してですが、麻雀をやっていると驚くほど一発ツモが多い事に気づきます。

大体3半荘もやって普通に一発を消さないと、一回くらいは出ます。

それくらい頻度が高く、無視できないくらいの多さなのです。

ある程度安牌があって、上がれる見込みがないなら、私は一発は必ず消す方がいい思います。

雀ゴロKさんはこれだけ麻雀を打っているのに、なんでこの価値観は一致しなかったんだろうなと不思議に思いました。

 

この雀ゴロK本は祝儀のあるリアル麻雀を打つ上で、非常に参考になる本です。

それくらい実戦麻雀の要所中の要所が取り上げられており、分かりやすく説明されています。

 

しかしやはり麻雀は相手がいるため、相手のデータが分かっていない最初の状態ではこいう打ち方もいいと思いますが、相手の打ち方が分かってきたらそれに対処した打ち方にした方が勝率は良くなると思います。

こういう場合はこう打つものだと一辺倒にしないで、相手によって柔軟に打ち方を変えてやるのです。

不調の時に打ち方を変えるというのはブレルとうことですが、相手によって打ち方を変えるというのはブレルということではないと思います。

 

雀ゴロKさんが雀荘を開業したら、愛知まで遊びに行ってみようと思います。

 

フリー麻雀で食う超実践打法