三人麻雀の押し引きの極意
- 2021/09/23
- 三人麻雀戦術
ここでは三人麻雀の押し引きの極意を見ていきます。三人麻雀は抜きドラの関係で打点が高く、ツモ損ルールなため放銃が罪になりやすく、また萬子が無いため12スジしか無く(押すとヨンマより刺さる可能性が高い。)、押し引きはヨンマよりもシビアになります。押し引きがダメだと手組、鳴きと、今までやってきたことがどんなによくても全てが無駄になってしまうのです。押し引きは正にサンマの心臓部と言ってもいいのではないでしょうか。しかし焦ることはありません。DORA麻雀収支を見ても分かるように、これだけ打ってるとサンマの性質も大分見えてきて、押し引きもある程度体系化できるのが分かってきます。
押し引きで大事なのは基本的に、自分の手牌の速度と打点、相手の手牌の速度と打点、場況です。相手の打点は、親かどうか、北ドラの抜き数から見積もります。私の麻雀感は絶対とは言えませんが、DORA麻雀である程度の収支は残せており、大筋を外しているということはないと思いますので、負け続けている方は参考にしてみて下さい。
イーシャンテンからリーチへ2スジ押しはしない
相対速度で考える
終盤は聴牌でも無理に押さない
分が明らかに悪いと思ったら高打点聴牌でも押さない
終盤はダマテンもケアする
オーラストップ目の押し引き
オーラストップ目の親番は伏せることが往々にある
押していく場面
シャンテン押し1
シャンテン押し2
シャンテン押し3
まとめ
イーシャンテンからリーチへ2スジ押しはしない
貴重な親番でのイーシャンテンですが、南家からリーチが入ってしまいました。この親番が落ちるとラスが濃厚になってしまいますが、聴牌するまで最低2スジは押さなければいけませんので、ここは残念ながら3sを切って降ります。相手は北を2枚抜いており、安牌の中切りリーチで恐らく良型だろうというのも、降り寄りの判断の材料となります。絶望的な状況でも基本的にはイーシャンテンからリーチへ2スジ押すということはしません。
その後西家にもリーチが掛かり、横移動となりました。これで西家は29800点となり、私と6800点差となり、オーラスで私にラス回避の満貫条件は残ったというわけです。
相対速度で考える
西家が西ポン打1m、白ポン打1p、東家が発ポン打東で、今4pをツモったところです。ドラドラ赤の勝負手ですが、トップ目で放銃は避けたいので、9sを合わせました。特に西家は聴牌しててもおかしくないので、2sはむやみには切りません。
ここで中を掴み5sを合わせます。もう降りているということですね。
結果は横移動です。押し引きは基本的には相手との相対速度で判断しますので、相手の方が自分より早そうだと感じたら、自己都合では進めず迂回気味に進めることになります。この場合はトップ目のオーラスですので猶更です。もし真っ直ぐ進めていれば、中を放銃して最悪な結果になるところでした。
終盤は聴牌でも無理に押さない
聴牌ですので、筒子模様の親に4p、9pと勝負しましたが、最終ツモで3pを引いてしまいました。聴牌料よりリスクの方が大きいので、ここは4sを合わせて降ります。
流局後開けて見ますと、3pは通る牌でした。しかしこれでいいのです。
終盤聴牌している時の押し引きは難しいです。ここら辺はケースバイケースですので実戦で磨き上げるよりないのですが、ヨンマよりは降りるケースが多いです。特に聴牌料は無理に取りにいきません。
分が明らかに悪いと思ったら高打点聴牌でも押さない
この例はどうでしょうか。親でドラ4の聴牌です。普通ならまず追っかけて悪くないところですが、このケースは少し拙いのです。というのも両者の捨て牌から5s、6sはかなり薄い感じがします。トップとは点差がかけ離れており、ライバルは自然ラス目の南家ということになります。そうなると不利な叩き合いはせず、現状維持という選択の方が良さそうです。そもそも白自体がかなり危ないです。この白は絞るためここまで抱えました。
親にしては弱気な選択に見えますが、この場合はこれでいいと思います。手牌を開けてみますと6sが山に1枚しかないのが分かります。相手の待ちも薄いですが、そのことは対局中は分かりません。要は分が悪いと思ったら場況次第で、親の高打点聴牌でも降りることを厭わないで下さい。このテーマは押し引きで最も言いたいことです。以前は親で高打点ならしょうがないという考え方で、無駄な放銃をたくさん繰り返して、成績が伸びませんでした。ちなみにこの局は私の一人ノーテン流局しました。
終盤はダマテンもケアする
終盤に入って今3pをツモったところです。牌効率で言えば1pですが、1枚も見えていないので何となく不気味です。特に西家は赤も切っており、贅沢に中張牌を切っていて、聴牌していてもおかしくありません。ここは赤5sと切りました。比較的安全な索子を払って聴牌を目指しにいきます。
手牌を開けてみますとこの通りです。何とツモスーの聴牌でした。結果的に1pは通りましたが、感覚的に止めるべき牌なのは分かると思います。
最後は危な気なく聴牌が取れて流局です。終盤はダマテンが入っていてもおかしくないので、牌効率よりも安全なところを払って聴牌を目指して下さい。そして無スジを2枚以上切らねば聴牌が取りにいけないようでは、降りてしまった方が無難です。
オーラストップ目の押し引き
オーラス南家のリーチに対して危な気無くサンメンチャンで聴牌し、3pをプッシュして今9pをツモったところです。3900までの直撃なら耐えられますが、この9pはどうしますか。
私は切って放銃し、捲られてしまいましたが、ここは降りた方が良かったですね。サンメンチャンで聴牌しているので端牌くらい勢いで切ってしまいそうなものですが、14、69pは捨て牌からもろに浮上するスジなのです。
南家が赤5pを切るところですが、こういう形があるのです。赤でなければここまで引っ張る意味もありませんが、リーチ直前まで引っ張るということは、そのくっつきを待ったということで、14、69のスジは案外危ないのです。赤5pが切れているため3pくらいは押せますが、9pは本命のスジなので、オーラストップ目の状況では、サンメンチャンでも降りた方が良かったと思います。これはかなり微妙で難しい局面でしたが、オーラスのトップ目というのはかなり降り寄りの押し引きになるということを抑えておいて下さい。
オーラストップ目の親番は伏せることが往々にある
オーラストップ目で12巡目にツモりました。しかし上がり止めの無いDORA麻雀では、これは上がりません。この巡目になると流局の可能性が高くなりますので、伏せにいくのです。もしここで上がってしまうと、南家に跳満条件を残したままもう一局やらねばなりません。ここは1pを切ります。余談ですが、私はこういう手を何度も上がって、次局に捲られるというケースを何度も味わいました。
その後再び聴牌するも、最後は抜きました。西家は2枚目の東切りで聴牌しましたが、上がりには結び付きませんでした。三段目まで聴牌しなければ、上がるのは中々難しいものです。オーラストップ目の親番で流局しそうなら、下手に連荘しないで伏せて下さい。
押していく場面
この8sをポンしたいところですが、出ていく4pがまあまあ危険牌です。しかし打点があり、競っているところですのでここは前へ出ます。
ギリギリでしたが通りました。この後ツモりました。この4pというのがどれくらい危険か、言葉で説明するのが難しいため、これぐらいなら勝負という曖昧な言葉になってしまいますが、押し引きは、場況、上がり易さ、打点、出ていく牌の危険度の4つの要素で考えるのが基本です。この場合は、場況◎、上がり易さ◎、打点◎、出ていく牌の危険度△(◎〇△×で評価)とこんな感じです。よって押しよりになるということです。
シャンテン押し1
親リーが相手で、こちらはリャンシャンテンです。降りれそうですが、断ラスなのでここは勝負に出ます。相手は北を抜いていなく、打点が不明なのも押したくなるところです。発をポンして4pを勝負しました。
結局刺さって、リーチダブ東裏3で18000の放銃となりました。取り返したいならここが勝負の局面だと思いますが、両無スジ2本の押しはかなりきついです。無難にいくならここは諦める方が局収支的にはいいのかもしれません。シャンテン押しはそれだけ難しいのです。
シャンテン押し2
リーチが掛かってしまいましたが、こちらも親で1sと9sのくっつき聴牌なのでシャンテン押しを試みます。モロヒの7pを押します。
7pは通ったものの次の8pで刺さってしまいました。裏も乗って12000の放銃となりました。これは降りる気になれなく仕方が無いと思います。シャンテン押しの要素は場況、相手の残りスジの多さ、こちらの上がり易さ、こちらの打点でもって判断します。しかし先にも書きました通りシャンテン押しはかなり成功率は低いです。
シャンテン押し3
連続放銃で迎えた親番の東二局ですが、トップ目からダメ押しのリーチが入りました。ここを落とすともう逆転の見込みはほとんど無くなりますので、多少厳しい手牌ですがギリギリまで粘ります。とは言ってもいきなりリャンシャンテンで無スジの8pは切りません。ここは南のトイツ落としから入ります。
イーシャンテンになりました。先に述べたように通常イーシャンテンから2スジ押しはしませんが、点差が離れ過ぎていますので、押しを継続します。無スジにあたる9sと8pの選択ですが、この場合はやや8pが勝ると思います。5s切りリーチは案外14s、69sが当たる可能性が高く、8pはほぼリャンメンでしか刺さらないからです。(9p切りの愚形固定と9pが3枚見えてることから推測する。)このように押す時はなるべく安全度の高い牌から切ります。
かなり嫌な3pですがこれも押します。9sと3pの比較ではやはり5s切りリーチの分、前者の方が危険度は高そうです。
7pが入って9sも勝負をして、最後は一発で3sをツモりました。際どいですがシャンテン押しは成立していたと思います。押した牌は無スジの8p、3p、9sの3種です。今回は上手くいったもののシャンテン押しは大体は放銃に終わることが多いです。ですのでシャンテン押しは場況(この場合は断ラスで親が落ちると厳しい。)、手牌(上がりまでの距離と打点)をよく加味して判断して下さい。
まとめ
どうでしょうか。サンマにおいては先手を取られたら、大体のケースで降りることになるのが分かるかと思います。特にDORA麻雀の東風では三局しかなく、放銃イコールラスになりやすいため、このようになってしまうのです。牌効率ができているなら先手もそれなりに取れますので、後手を引いた時の対応こそが長期的な勝敗を左右することになります。押し過ぎは一番拙いですが、降り過ぎもまたよくありません。この絶妙な押し引き感覚を是非ものにして下さい。