リーチの対処の仕方
- 2018/11/20
- 四人麻雀戦術
記事編集日2018.11.22 記事作成日2018.11.20
四人麻雀の場合確率から考えても4~5回に一局しか上がれずほとんどは守備に回ることになります。リーチを受けることも度々で毎回悩まされることになります。放銃すれば上がりと同じくらい、マイナスの方向へ点数が傾いてしまうからです。相手のリーチに対してどうやって対処したらいいのかここでじっくり見ていきたいと思います。
リーチを喰らった場合、基本は降りるか押し返すしかありません。判断の基準は、ルール(トップ取り重視なのか、ラス回避重視なのか)、自分の手牌(上がりやすさ、打点)、場況(点数状況、残り何局か)です。中でも場況はかなり大きく同じ手牌であっても降りる場合もあるし押し返す場合があるのが面白いところです。
ベタ降り
ベタ降り参考1)高打点イーシャンテン対親リー
ベタ降り参考2)良形テンパイ対親リー
ベタ降り参考3)高打点リャンシャンテン対子リー
押し返す
押し返し参考1)良形リーのみ対親リー
押し返し参考2)良形リーのみ対子リー
押し返し参考3)良形高打点イーシャンテン対親リー
複合手順
複合系参考1)良形テンパイ対2件リーチ
まとめ
ベタ降り
リーチが掛ると押し返していい手は少なく、ほとんどの場合はベタ降りすることになります。ここではどういった手牌でベタ降りするのか、またそのコツを見ていきます。
トップ目の親でピンフのリャンシャンテンの局面で下家からリーチが掛ってしまい、今発をツモったところです。親ですし一索、発くらいは切りたいところですが、点数もありうちたくない局面ですので、ここはベタ降りします。いくら親とは言え、打点のないリャンシャンテンですから長期的に見てこれがベターなのです。よって一筒を切ります。
ベタ降りの基本は上家に合わせ打つことです。よってこういう場面は四索を合わせます。
結果はツモられてしまいましたが、リーチ後にツモった九萬はしっかり抑えられました。
ベタ降り参考1)高打点イーシャンテン対親リー
親リーが掛かった直後にメンホンのイーシャンテンになりました。良形で押し返したいところですが、東四局でラス目に近い親リーにうってしまうのは避けたい状況ですので、ここはやはり降りを選択します。初牌の字牌などは切らずに2枚切れている北のトイツ落としから入ります。
結果はトイメンが粘った末に放銃してしまいました。今回のはこれぐらいいい手でも降りなければならないという例でした。
ベタ降り参考2)良形テンパイ対親リー
今ラス目の親リーを受けた直後にピンフのテンパイをしました。六萬を押したくなるところですが、南2局で現状トップ、相手がラス目の親っていうのが判断のポイントです。ゲンブツ牌が2つあるためここは降りが良さそうです。よって四筒を切ります。
スジとゲンブツで逃れました。親は三色の間三萬でした。六萬を切っていたら恐らくスジの三萬を勝負していたところですから降りの選択は正しかったと言えます。
親リーに対して安手のテンパイなら場況もありますが、基本は降りが無難です。
ベタ降り参考3)高打点リャンシャンテン対子リー
今子リーが入ったところでドラの七筒を引き、高打点のリャンシャンテンになりました。リーチはドラの七筒を切っておりこちらも赤を2枚抑えているのでそんなに高そうな手にも見えません。よって九萬辺りは切っても良さそうなのですが、この場合はやはり降りが無難です。理由は九萬が通ったところでテンパイ時に赤五索が出る可能性が高いためです。七八九の三色も見えておりおしい手なのですが、テンパイした時ドラなどの切りにくい牌が出るのであれば、やはり最初から降りておいた方がいいというわけです。
結局追っかけリーチが入って横移動に終わりました。しかしこちらも上がれていなかったのが分かります。リャンシャンテンというそれだけ遠いのです。
押し返す
リーチが掛る度に降りてばかりでは麻雀は勝てません。押し返す手もあり、ここではどういう場面で押し返すのか見ていきます。
ラス目の上家からリーチを受けており2着目ですが、今味よく赤五筒をツモった局面です。イーシャンテンですが形も打点も悪くないため、これくらいの形であれば押し返していきます。満貫を打ってしまうと一時的にラス目になりますが、まだ東2局ですので巻き返しの余地は十分残っているというのも大きいです。よって危険牌の一つ六索を押します。
通ってくれて追いつきました。
結果的には掴んでしまいましたが、相手の手に対して十分見合う押し引きだったと思います。
押し返し参考1)良形リーのみ対親リー
東場の平場で親リーを受けていますが、今役無し良形でテンパイしました。判断の難しいところですが、良形なら長期的に見て押し返すのもそんなに悪いことだとは思いません。結局降りてしまえばそれだけで期待値はマイナスになってしまうからです。
結果は刺さりましたがこれでいいと思います。東場で平場というところがポイントで、これから巻き返す余地はまだ十分にあります。
押し返し参考2)良形リーのみ対子リー
対子リーでテンパイした場合は良形であれば基本は追いかけます。良形は何だかんだ言っても強く、相手が親リーでも有力なのに、子リーでしかも負けているのであれば尚更です。
リーヅモのみですが大きな加点となりました。
押し返し参考3)良形高打点イーシャンテン対親リー
親リーが掛かっていますが、これぐらい手が整ってドラも多ければ当然押し返していきます。
結局刺さりましたが、自分の手が整っており、高打点、鳴きもきく形であればシャンテンで親リーに向かっていく好例だと思います。
複合手順
リーチを受けた時、ベタ降りか押し返しと前述しましたが、実戦ではどちつかずの局面も存在ます。ここではそういった複合系を見ていきます。
打点上昇が見込めない時1000点でも上がれるなら上がりたいところです。結局自分で上がらなければ誰かが上がることとなり、被ツモの場合はそれだけで失点するからです。よって私の場合はある程度手牌がまとまっているなら、最序盤であればどんどん仕掛けていきます。これもその対象となります。
しかし意外にも親リーが早く入ってしまい逃げられない状況になってしまいました。安牌はありません。
こういう場合はなるべく縦に切ってテンパイへ向かいます。その方が当たる確率が低いからです。(単純に2種類の牌を切るよりか1種類の牌を切る方が当たる確率が低いため。)
リーチ宣言牌の周辺は関連牌になっている可能性も高く、この場合は二索のトイツ落としを試みました。
安牌がまだ開拓されません。スジの三萬もありますが、ここは思い切って三筒に手を掛けました。愚形ターツを払って良形ターツを残すのが自然だからです。ここはリーチが掛っていないものとして目をつぶりました。
まだテンパイにはなりませんが、ここでダブルスジの六筒を掴みいよいよ降りようと思いました。元々かわし手で、積極的に上がりにいく手ではないからです。二索と三筒は安牌がないため仕方なく押したといった感じです。取りあえず七索を合わせます。
今九索を引き、ここで六筒を切って完全に降りました。尚ここでテンパれば勝負に出る予定でした。
二件リーチになったもののスジとゲンブツでうまく逃れられました。
親リーに対して安牌が無かった場合はなるべく少ない種類の牌を切って、自分の上がりを目指していきますが、安牌が増えてきたら降りるという呼吸を身につけて下さい。
複合系参考1)良形テンパイ対2件リーチ
子リーを受けており、今上家から二索が出てきたところです。ゲンブツ牌は1枚しかなくここは押し返した方が良さそうです。よってここはこの二索を喰って二萬を勝負します。本当はメンゼンにする手なのですが、相手に速度を合わせるためにかわし手にして妥協します。
親リーも入ってしまいまい、無スジの八筒を掴んでしまいましたが目をつぶって切ります。ここはこうするより無いといったところです。
八筒は通ったものの、ここでもまた無スジの七萬を掴んでしまいました。この巡目に至っては二件リーチに対してもう勝負をする気はありません。幸いに先程の八筒が通ったので五筒が両者に味よくダブルスジとなりました。よって五筒を切ります。
以下逃げ切れました。七萬は親への当たり牌でした。かわし手は拾えたらラッキーくらいの感覚で、深追いは禁物です。
まとめ
リーチというのはテンパイ宣言の上、打点もある程度あることが予想されますので、思った以上にシビアに降りる局面が多いです。実際に天鳳位になった人の牌譜を見ても丁寧に降りているなという印象を受けました。しかしそればかりでは勝てませんので、押し返すところはしっかりと押し返さなければなりません。場況的に手牌的に見合っているのか、その見極めが大切だと思います。