フリー麻雀で食う超実践打法 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

先月ある麻雀本を買ってリアルで試しているのですが、めちゃめちゃに負けまくって麻雀がよく分からなくなってしまいました(笑)

6-10-7-13(7回ハコラス)という対戦成績で、対人収支-48600円、場代込みで-69800円です。

ひどいラス率で、いくら何でも負けすぎですね。

サンプル数が少なくただ単に下振れの可能性もありますが、今回はこの本をレビューしてみようと思います。

それはずばり「純黒ピン東メンバーが教える フリー麻雀で食う超実践打法」です。

 

定価 1300円+税

ページ数 223

出版社 彩図社

著者 雀ゴロK

初版第一刷発行 2015.7.13

対象 麻雀初心者~上級者

 

雀ゴロKとは20台の若きピン東雀荘のメンバーで、麻雀で随分稼がれている人です。

2014.1~2015.5まで、メンバーとしての対人成績が+410万2200円(7613回)という実績で、間違いなく最強に部類する打ち手です。

地元の愛知に雀荘を開くという夢があり、その開業資金を麻雀で稼ぎ、今物件を探しているみたいです。

ブログも運営されています。

 

まずはじめに、私は麻雀の強い人というのを尊敬しています。

麻雀の強い人というのは、長期的に見て勝率がいい人のことです。

理由は、それが如何に大変なことかということが分かるからです。

私も実に多くの人とたくさん麻雀を打ってきましたが、麻雀の場合長期的に勝つには、技術の他にメンタルが強くないとできません。

この本にも書かれていますが、麻雀はどうしても運が絡むため、どんなに強い人でも長くやれば必ず負けが込む時がきます。

仮に正しい打ち方ができたとしても、確率の低いことが連続で起こって負けてしまうのです。

その時こそ麻雀打ちは真価を問われますが、メンタルの強い人はその壁を乗り越えることができます。

麻雀に限らずメンタルの強い人というのはやはり尊敬に値しますが、麻雀で結果を残しているということは、少なくともメンタル強者の証だと思っています。

ですので雀荘のメンバーが長く務まるというのは、実はそれだけでも大変すごいことなのです。

 

ちなみに私はメンタルが弱いです。

多分最弱の部類だと思います。

ですので負け続けると打ち方が雑になってしまいますから、負け続けたらラス半掛けて止めるということで制御してきました。(イライラした状態で打ち続けるのが一番まずい。)

汚く言えば逃げてるのですが、それでも一晩も経てばまたリフレッシュした状態から始めることができます。

しかしメンバーの場合は麻雀を打つのが仕事ですから、不調だから止めとくというわけにはいきませんからね。

それを考えるとDORA麻雀は本当に気軽だと思います。

 

さて話は戻りますが、この本を読み終えて(やはり5日掛かりました)、この麻雀の感覚はホーリーに近いというのが第一印象でした。

最短距離で手なりで打って即リーを掛けるところといい、多少遠いところからでも愚形は鳴いて解消するところといい、バックの仕掛けも積極的に取り入れるところといい、先手を打たれたら中抜きして降りるところといい、チートイよりもトイトイを目指すところといい、これが現代麻雀の勝つ戦略の一つなんだなというのが改めて分かりました。

 

ホーリー本のようにグラフに裏打ちされたデータというのはありませんが、例が非常に分かりやすく、いい例を厳選してるなと思いました。

さすがに実戦派の書いた本という感じでした。

 

いい例だなと思ったのが以下の手牌です。

P153図A 一二三五六③③④56788 ドラ一

ドラのある好形シャンテンですが、基本的にはリーチが掛かったら降りみたいです。

スジだったらともかく、これぐらいの手牌では無スジは押していけないなというのが改めて分かりました。

 

非常に感心したのが以下の手牌です。

P101図C 二二五六八③④1259東 ドラ北

この手牌では二五七は鳴くみたいです。

ペンチャンは捨てて、赤による打点と祝儀そしてスピードを意識しながら打つんだなと思いました。

9が6か7くらいだったらメンツの形が見えてくるから鳴けそうですが、この状態では意識してなければ鳴けないなと思いました。

一応123のメンツが見えていますからね。

 

そんなもんかなと思ったのが以下の手牌です。

P165図B 二二六七234567 中ポン ドラ①

典型的な千点仕掛けですが、良形なら基本的には親リーにもゼンツするみたいです。

私なら12000が見えると弱気になって、スジとかがあればそれで降りてしまいそうですが、半端なことをするんだったらテンパイなら突っ張っていく方がいいんでしょうね。

上がりトップの条件とか、積み棒(特に本場が1500点なら尚更)や供託リー棒がある場合なら分かりますが、少し怖いですね。

 

疑問に思ったのが、愚形リーのみでも先制なら即リーするところと、一発消しするための鳴きは原則しないというところです。

先制愚形リーチで、最近こっぴどい負けが続いています。

追っかけられて相手のロン牌を掴み、高い手に放銃と言うパターンが続いて、5回連続でハコラスになりました。

ちなみに6回目はトップですが、7回目はやはりハコラスでした。

ハコラス自体がそもそも20局に1局くらいしかないため、よほどひどい負けっぷりです。

今月偉く負けてますが、愚形リーチでの指し合い負けというのが一番大きな原因です。

同卓したメンバーさんに聞いてみたのですが、仕方のないパターンだそうです。

しかし本当にそうなのでしょうか?

 

愚形リーチというのは打点が安い場合は、やはり相手を牽制させ降ろさせるという意味合いの方が強いですから、割とリーチに押してくるタイプには分が悪くなるケースが多いです。

私がこれだけリーチの叩き合いで負けて得た教訓は、愚形リーチというのはよくよく相手を選ぶ必要があるということです。

リーチに対して降りすぎるきらいのある人には有効かもしれませんが、押し気味のタイプには止めておく方が無難だと思います。

押し気味のタイプにリーチを掛ける時は、そこそこの打点か待ち数、或いは両方を用意しておく方がいいということです。

 

麻雀は腕で上がり牌を引けるゲームではありませんから、打点の安い愚形リーチを掛けるくらいだったら寧ろリーチを掛けないで、相手のロン牌を止めれるメリットを残しておく方がベターなのではと思います。

 

また一発消しに関してですが、麻雀をやっていると驚くほど一発ツモが多い事に気づきます。

大体3半荘もやって普通に一発を消さないと、一回くらいは出ます。

それくらい頻度が高く、無視できないくらいの多さなのです。

ある程度安牌があって、上がれる見込みがないなら、私は一発は必ず消す方がいい思います。

雀ゴロKさんはこれだけ麻雀を打っているのに、なんでこの価値観は一致しなかったんだろうなと不思議に思いました。

 

この雀ゴロK本は祝儀のあるリアル麻雀を打つ上で、非常に参考になる本です。

それくらい実戦麻雀の要所中の要所が取り上げられており、分かりやすく説明されています。

 

しかしやはり麻雀は相手がいるため、相手のデータが分かっていない最初の状態ではこいう打ち方もいいと思いますが、相手の打ち方が分かってきたらそれに対処した打ち方にした方が勝率は良くなると思います。

こういう場合はこう打つものだと一辺倒にしないで、相手によって柔軟に打ち方を変えてやるのです。

不調の時に打ち方を変えるというのはブレルとうことですが、相手によって打ち方を変えるというのはブレルということではないと思います。

 

雀ゴロKさんが雀荘を開業したら、愛知まで遊びに行ってみようと思います。

 

フリー麻雀で食う超実践打法

神速の麻雀 堀内システム51 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

今回は「神速の麻雀 堀内システム51」をレビューしようと思います。

 

定価 1400円+税

ページ数 167

出版社 洋泉社

著者 堀内正人

編者 福地誠

初版第1刷発行 2015.2.27

全ての麻雀ユーザー

 

堀内正人と言えば、2013年の第30期十段戦で悪質な三味線行為を行っただとかで失格処分になり、大きな物議を醸し出した人です。

私が動画を観た限りでは「これのどこが悪いの?」という感じでしたが、後で調べてみますとどうも麻雀連盟の腐った体質が背後にあったのですね。

要は出る杭は打たれるといった、日本社会ではよくある事例の犠牲者になってしまったというところでしょうか。

 

連盟と堀内プロ(以下ホーリー)との間に何があったのかは分かりませんが、少なくともこの本を読んで、こういう麻雀を打たれて負かされたとあれば、魅せる麻雀によってファンを集めている連盟にとっては面白くないだろうなと思いました。

 

「究極のファーストフード麻雀」と帯には自嘲気味な一文が目を引きましたが、中を開けてみますと麻雀ってこんな風に打つものなのかなと狐につままれたような感じになってしまいました。

正直驚きました。

麻雀というのは人対人のゲームで、人によって打ち方は全然変わるし、場況によっても全然異なるのに、こんなに決め付けちゃっていいのかなと思いました。

 

しかしデータに裏づけられており、ホーリー自身がそれで結果を残してきているので、妙に説得力があり、麻雀の違う一面を見た感じがしました。

ちなみにこの本は麻雀の戦術書にしては、見やすくて分かりやすいので私は5日で読めました。

私が麻雀に関してかねがね疑問に思っていたことなどにも明確に答えてくれており、買って良かったなと思いました。

 

この本によると、堀内流はデータ的根拠から期待値が少しでもプラスになるように打牌や鳴きを選択するため、答えはほぼ一つしかなく誰が打っても同じになるようです。

それがファーストフードのゆえんですが、データから導いているのであれば、確かにこう打てばかなり高い勝率が期待できると思います。

 

この打ち方を見て、私はむこうぶちの日蔭を連想してしまいました。

日蔭といえば手役よりもスピードを重視する効率打法で、祐太に「この打ち方を徹底すれば、例え傀が相手でも利益は出る筈だ。」とまで言わせた裏プロ雀士です。

イメージ的にはあながち間違っていないと思います。

 

しかしこう言う打ち方は、最初に出てくる通り徹底がキモなのです。

これができないのです。

っていうかできる人は多分世界でホーリーただ一人だと思います。

ファーストフードなんてとんでもない、これが徹底できるのであれば、それだけでオリジナリティ溢れるプロの芸だと思います。

 

ただ麻雀というのは人対人のゲームで、やはり完璧なシステムというのは存在しないのです。

もし存在するのであれば、麻雀自体が廃れてしまいますからね。

 

もしホーリーと対戦する機会のある方は、逆の発想で攻めていくといいと思います。

つまり打点が高くなる方向に手牌を進めていくのです。

ドラとか赤とかをペンチャンカンチャンになったとしてもできるだけ使い切るように、三色やホンイツなどは決め打ちしてしまう感じです。

牌効率は悪いですが、3人共こういう打ち方したら、誰か一人くらいはホーリーの早い手に追いつけそうなものです。

そういう人がぶつかっていけばいいのです。

のみ手でも先制リーチを掛けてきたり、ドラもないのに役牌を一鳴きするホーリーは、平均打点は高くない筈ですから、きっと毎回分の悪い差し合いを強いられる羽目になると思います。

 

この本は得るものが多く、自分の麻雀と比較しながら何度か読んだのですが、妙に感心したのがP23の牌2です。

一二三五六②③④⑦⑧22発発 ドラ北

巡目が深くならないうち(大体9巡目以内)は、発を残し2を切った方がスピード的にいいそうです。

この形は実戦でもたまに出てきますが、私は発のトイツ落とししかやっていませんでした。

安牌を残しながら手を進めていく味がいいからです。

もし2を切って発を喰えたとしても雀頭がなく、この瞬間がいやな感じがするからです。

しかしもう一つ喰えれば単騎ころがしになるし、発を喰う前にどちらかのシュンツが完成したとしても同じリャンメン待ちで、1300と2000ではそれほど差がないため、ピンフに固執する理由もなさそうです。

その場合はリーチを掛けなければ役にならないのが欠点ではありますが、こちらの方がいいのでしょうね。

 

そんなもんかなと思ったのがp71の牌8です。

三四五六七②②③③④④⑤ ドラ⑤

祝儀ありならハネ確でもリーチとありますが、いくら3メンチャンとは言えハネ満あれば私ならダマで手堅く上がりたいところです。

もし誰かリーチして、その人の河に上がり牌がないなら、喜んで追っかけます。

しかしリーチを掛けてツモれば倍満ですから、祝儀も考慮すると長期的に見てそちらの方がいいのでしょうね。

 

疑問に思ったのが、p30の牌8です。

三四七七⑦⑦⑦⑧⑨456 ドラ北

中盤ならこれでリーチするそうですが、まだ手が伸びそうで勿体ない感じがします。

自分の河に四があるならこれでリーチしますが、ないならダマにしてリャンメン受けの変化に期待したいところです。

 

リーチのシステムばかり見てしまいましたが、リーチによるツモれるエクイティと一発裏ドラのエクイティ、そして何より相手を牽制するエクイティを重要視しているんだなというのが読み取れました。

 

鳴きのシステムも完成度が高いです。

これがリアルで実戦でできるなら本当に強いと思います。

鳴きというのはオンラインではできるのですが、リアルでは結構見逃してしまうものなのです。

以外な牌が切られると反応できなくて、何度もポンし損ねて上がりを逃したこと数え切れません。

恥ずかしながら今でもやってしまいます。

リアル麻雀での上がり逃しのミスは、私の場合大体鳴き損ねがほとんどです。

例えば例を出します。

 

2015.6.2.1

牌符URL

この状況はよくよく考えると、もう形テンに向かうより無さそうです。

南場でこの点差を考えるとレンチャンが欲しい、九萬が3枚切れてシュンツを作るのが難しい、中盤過ぎてリャンシャンテンでは少し遅いと言った理由からです。

これがオンラインだったら八萬が出てから考える時間があるので、これらの状況を把握して喰えるのですが、リアルだとその時間が与えられないためどうしても反応しきれないのです。

私ならリアルでこの状況だったら、多分このポンは見逃していたと思います。

鳴きというのはリアルではそれだけ難しいのです。

押し引きはある程度強くなると皆できて当たり前で、差がつくのはホーリーも言うようにやはり鳴きだと思います。

 

この本を読み終えて天鳳でこの打ち方を試そうと思いましたが、やはりできませんでした。

2015.6.2.2

牌符URL

フラストレーションの溜まる展開で漸くこの局面を迎えましたが、ホーリー本によるとここはリーチする感じです。

リャンメン好形ですし、タンピンドラ1ならまさに絶好のリーチと言えそうです。

しかし中々それができないのが実戦です。

一人が抜け出して三人が1万点台で、三人は何とか他の二人から抜け出してやりたいというのが人情です。

ここまでの展開から皆そこそこ打てる感じです。

序盤のリャンメンがツモれないというのは珍しいことではなく、他の三人に降りられると供託リー棒を1本増やすだけです。

南2局ということも考え、ここはダマで手堅く3900を上がって、リー棒と積み棒もいただきたいところです。

結局ダマにしましたが、次に二萬をツモりました。

ホーリーや寿人プロだったら、一発でツモってたところなんだろうなと思いました。

これがピンのワンスリー祝儀1枚500円だったとしても、やはりダマにしていたと思います。

私に限らず多くの方はそうするのではないでしょうか。

 

つまりホーリー流を徹底するというのは、それなりの度胸と覚悟、強い意思が必要なのです。

 

私にはやはり真似できないので、自分の麻雀を追及していこうと思います。

 

神速の麻雀 堀内システム51