ゼロ秒思考の麻雀レビュー

こんにちはDIOBRANDOです。

先日車検に出した車があるのですが、この車何と去年の10月できれていました。シールに28と書かれていたのを見た時は思わず「今年何年」なんてぐぐってしまいました。

あまり乗る車でもないのですが、一年事故らなくて本当に良かったと思います。

いくら保険に入っていても車検通っていなかったら効きませんからね。

 

今回は私の尊敬する天鳳プレイヤーZERO十段の書いた書籍「ゼロ秒思考の麻雀」をレビューします。

 

定価 1300円+税

ページ数 190

出版社 竹書房

著者 ZERO

初版第1刷発行 2017.10.23

対象 麻雀中級者以上

 

ZERO氏は名古在住の天鳳プレイヤーで、その実力は折り紙つきです。

これは男冥利というサイトで検索したものですが、ZERO氏の天鳳安定段位は九段を超えています。

これはもうほとんど天鳳位に近く、後はいつ確変がくるかだけの問題だと思います。

 

ZERO氏はブログも書いており、私もちょくちょく訪れてはその内容の濃さに驚いていましたが、今回本を出すということで密かに楽しみにしていました。

私の場合本を買う時は、普通は書店で本を取って中をぺらぺらめくってから買うかどうか決めるのですが、今回は最初から買う意思がありましたので、紀伊國屋で本を見つけたら即買いしました。

 

家でゆっくり読んだのですが、やはり中身は期待を裏切らない内容でした。

カテゴリー的には麻雀の戦術書なのですが、難しいテーマの割にはあまりかたくなく、分かりやすく読みやすかったです。

今の時代麻雀本は良本が多いのですが、その代わり難しく中々完読できないものなのですが、この本は2日で読めました。内容を少し立ち止まって考えても合せて5時間で読めました。

息抜きのコラムが多く、興味をそそる内容だったのもスムーズに読めることを手助けしたのだと思います。

 

内容的にも新発見ばかりで、同じ牌姿に対して随分自分と考えていることが違ったんだなと、「フー」とため息が出てしまいました。

個人的には「第1章中級者脱出のためのゼロ秒思考入門」とうのが一番良かったです。

私は現在天鳳五段なのですが、案外基礎ができていなかったんだなと思いました。

 

P15、孤立牌を切れ

二二三四六三筒七筒一索一索四索七索白白白

何の変哲も無いよくあるような手牌ですが、これは四索が正解みたいです。五筒を引けばリャンカンになるため、筒子には手を掛けないのですが、私なら恐らく七索を切っていたと思います。赤五索を引いた時に良形ターツができるからです。赤あり麻雀は理論的にも中央に寄せていくのが普通だろうと考えていました。しかし四索の周り二三五六索を引いても一索と七索でフォローがきくため、四索を切るとあります。

そう考えるもんなんだなと目から鱗でした。

 

p36、迷ったら5ブロック

一二八九三筒三筒四筒二索三索五索六索七索八索八索

これも実戦でよく見かける牌姿です。ブロックが余っている状態で、通常は5ブロックに取る手組みが普通なのですが、このように一二ターツと八九どちらを払っても大差ない場合、私は極性がないと呼んでいるのですが、この場合は例外的に三筒がいだろうと考えていました。しかしこういう場合でもどちらかのターツを払って5ブロックにした方がいいそうです。

へーそうなんだと、ここでも私の中の既定の観念が違っていたことに気づかされました。

 

p45、裏目を見すえて選択せよ

一一二四筒五筒六筒七筒七筒九筒五索六索 発発発(ドラ)

これは二萬を払っても九筒を払っても大差ないように見えますが、八筒引いてもフリテンの3メンチャンになるような打九筒が正しいみたいです。裏目というのは常に悩まされる問題で、誰でもよく起こることだと思いますが、この対処法は知りませんでした。多分私なら一萬はポンしやすいし、筒子に伸びるかもしれないから打二萬としていたと思います。

 

題材はよく厳選されていて、よく遭遇するけど普段あまり立ち止まって考えない、良問ばかりでした。恥ずかしいくらい基礎ができていなくて、これじゃ勝てるはずなかったんだなと逆に納得してしまいました(笑)

 

こんなのはまだ序の口で、オリジナルのトイトイダッシュやスジカウンティング、ブラフ方程式なんていうのも出てきます。どれも「なるほどな。」というものばかりです。特にスジカンティングは真剣に取り組めばもっと押していける麻雀になると思います。

 

この本ははっきりいって買って読んだ方がいいと思います。いきなり全て真似するのは難しいと思いますが、ここまで結果を出している現役のプレイヤーが自分の手の内を明かしている本は数少ないと思います。そして今もZERO氏が天鳳でプレイしていることを忘れてはいけません。この良本から学んで、それをなぞるように天鳳でZERO氏のプレイを観戦できるのです。多分現時点での一番効率いい麻雀の勉強方ではないでしょうか。

 

この本にめぐり合えるのはかなりラッキーなことだと思います。

 

ゼロ秒思考の麻雀 (近代麻雀戦術シリーズ)

現代麻雀押し引きの教科書レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

今年の桜は遅咲きでしたが、見れるのもどうやら今日までみたいです。

明日からまた天気がくずれるみたいです。

後で見納めとしてもう一度満開となった桜を見ておこうと思います。

 

さて今回は現代麻雀押し引きの教科書をレビューしてみたいと思います。

 

定価 1200円+税

ページ数 239

出版社 洋泉者

著者 福地誠

初版第1刷発行 2017.1.4

対象 麻雀初心者~中級者

 

有名ブロガーでもあり、麻雀ライターで、毎回天鳳名人戦にも出ている福地誠氏の書かれた本です。

この著者は個人的には麻雀の教科書的な本を作るのが上手いなと思っております。

成岡本みたいに際立ったものはないのですが、基礎的なことがよくまとめられているという感じです。

難しいテーマの割りには読みやすく、2日で読めてしまいました。(これは私としては過去にない速さです。)

 

以前からこういう本があったらいいなと思っていたのですが、押し引きは麻雀の中核になる部分で非常に繊細で、ルールによっても異なるので多分無理だろうなと思っておりました。

本で体系化できるような分野じゃないだろうなと考えていたのです。

実際に私でも天鳳、DORA麻雀、フリーで押し引きの基準が違います。

更に細かくいうとフリーでも祝儀比率、本場は何点か、上がり連荘の有無などによって変えています。

この辺は機会があれば今度話そうと思います。

 

今までやりたくても誰もできなかった分野によく筆者は挑戦したなと、まずはその勇気と薀蓄を称えたいと思います。

これ結構、神の領域なのです。(本来あってはならない本。本にはできない本。)

 

この本のはじめににありますように、日本麻雀は振り込み者が全額を支払うというルール上、押し引きが最も重要なゲームなのです。

ここの部分を筆者はルールの歪みと表現しています。

牌理もありますが押し引きあっての牌理で、実戦的には牌理で少々ミスろうとも押し引きで十分にカバーできてしまうところがあります。

よく問われている何を切るというのも重要なのですが、長期的に見ないと効果が出ない部分で、押し引きは反面即結果に出てしまいます。

麻雀の強い人というのは押し引きがしっかりした人といっても過言ではありません。

 

よってこの本は中身さえしっかりしていれば麻雀をする上で相当重要な本ということになってきます。

さて問題の中身ですが、一言で言ってしまえば及第点です。

これだけ難しいテーマをよく題材を選んで、これだけコンパクトにまとめられたなという感じです。

個人的には知識が重複して無駄な部分もあるのですが、初心者~中級者くらいを対象としているのでそれもしょうがないかなと思います。

 

構成としては4章に分かれており、1章が20~40題くらいで、次のページに答えと解説というようになっています。

途中に麻雀廃人録というブログネタがはし休めとしてありますがこれも中々面白いです。

 

私的には復習も兼ねて、もやもやしていたところにも光明が見出せて、非常にいい本でした。

 

特に参考になったのがこの辺です。

渋いですが、p157のQ81です。

この四萬を押すかどうかというテーマですが、相手の捨て牌から五萬のまたぎは薄く、一萬から一四萬はないため、確かにこの四萬は通りそうです。

正解も押しでしたがトップ目ということもあり、実戦なら多分五筒を切って様子を見たと思います。

シャンテン押しは難しいところですが、これぐらいは押すんだなと思いました。

 

惜しい点はここで完結してしまっているところです。

押し引きは部分的に取り出すのではなく、押すならどこまで押すのかということも重要です。

次に無筋を引いたらそれはどうするのか、?という疑問も残ります。

押し引きをテーマにするならもう少し連続性を持たせても良いかなと思いました。

 

使い方としましては、この本の押し引き感覚は方向性としては正しいと思いますので、教科書的に身につけておくというのがいいのではないかと思います。

 

この本の最初のテーマにピンフのみはリーチするかというのがありますが、今東初でピンフのみをテンパイしました。

教科書的にはここはリーチを打つ方がいいというのはわかります。

しかし実戦は東切りでダマを選択しました。

四萬を引くと打点が二翻増しになる上、高め三色だと更に二翻増しになるからです。

それにドラが見えていないため、誰かが固めている可能性も高いです。

捨て牌から察するにターツ落としがあったり、中張牌の手出しがあったり、相手もそんなに遅くは無さそうです。

その人に私の打点は安いと見抜かれゼンツされるのも怖いです。

やはりダマですよね?リーチ打ちますか?

 

蓋を開ければこんな感じでした。

確かにトイメンがドラを固めていました。

結果は赤五索をダマのまま間抜けっぽくツモりましたが、やはりリーチが正解だったみたいです。

分かっていても実戦では中々教科書通りに打てないのですよね。

これが人間が実戦で打つ麻雀ということなのではないでしょうか?

 

現代麻雀押し引きの教科書

麻雀傑作「何切る」300選レビュー

こんにちはDIOBRANDOです。

今回は麻雀傑作「何切る」300選をレビューします。

 

定価 1200円+税

ページ数 223

出版社 三才ブックス

著者 G・ウザク

編者 福地誠

初版第1刷発行 2016.8.5

対象 麻雀初心者~上級者

 

有名ブロガーG・ウザク氏の書かれた本です。

 

この本は去年の暮れに購入していたのですが、中々全て読み切れずにここまできてしまいました(笑)

タイトルで想像つく通りの何を切る良問が300題ほど出題されています。

 

はっきり言いましてこれかなりの名著です。

如何にも実戦に出てきそうな問題ばかりで、初心者は勿論のこと、上級者でも自分の麻雀の牌理感覚を補正するのに十分使えます。

赤有のフリー麻雀を想定していますが、よくそのルールの特徴を捉えています。

 

構成は1ページに3題ほど出題されて、次ページが答えと解説となっています。

回答も受け入れ枚数とかが書かれており、感覚的でなく合理的です。

また正解は単純な受け入れ枚数だけでなく、打点も考慮されていますのでなるほどと頷けるものです。

 

私一応天鳳七段の雀力はありますが、それでも1/3くらいしか正解できませんでした(汗)

牌理なんてそこそこ上手ければ、誰でもそれほど大差はないと思っていましたが、実は結構あったんだなというところです。

ちょっと舐めてたなと、今更ながら初心に返って見返しているところです。

 

フリー打ちでは考える時間がないので素通りしてしまうのですが、それだからこそこういう本で瞬時に正しい判断ができるようにしておくのです。

実際に見えている枚数も加味しなければならないため、実戦で全て正答するのはどんなに強い人でも無理だと思います。

 

使い方としては一気に読破しようなんて思わないで、麻雀をやる前に1ページの3問だけ考えて、頭の準備体操をしながら考え方を養っていくという使い方がいいと思います。

そしてこういう本は繰り返し何度も見ることがより効果的な使い方だと思います。

一回読んで身に付けば天才レベルで、何回も読んで身に付けば相当に優秀な人間、実戦で似たような形に遭遇して身に付けば優秀な方だと思います。

 

場況や押し引きなしの平面問題ですが、それでも基本の型ですので是非身につけたいところだと思います。

この本の300選をマスターすれば、プロも含めて恐らく大概の人は少なからず上達すると思います。

 

超のつく一押し本です。

麻雀は大体2半荘もやると1回くらいは素晴らしい手が入りますが、それを逃さないようにするためにもこの本は役に立ちます。

 

多分これはマスターピースだと思います。

後世まで残る本で、ずっと売れ続ける本だと思います。

 

個人的に一番なるほどと思ったのが以下の問題です。

P117のQ156で、南4局南家4巡目上がりトップ 八八④④⑥34688北北北⑦ で何を切るといった問題でした。

 

まあ八切りが普通だろうと思ったのですが、正解は北でした。

北をアンコ落としして喰いタンに向かうのが一番早いみたいです。

実戦でこれ決まったらカッコイイし、気持ちいいだろうなと思いました。

 

麻雀 傑作「何切る」300選