心眼の麻雀山を透視して勝つ技術レビュー
- 2016/05/15
- 書籍
こんにちは、DIOBRANDOです。
連休中に久しぶりに竹馬の友と遊びました。
その人は麻雀をやったことがない人なのですが、面白味を味わってもらいたく気が進まないにも関わらず強引に1から教えようとしましたが、半日で挫折しました。
理牌から大変そうで、なによりも興味とやる気がなければ無理でした。
ちょっと悪いことしたかなと思いました。
思えば私の回りで麻雀をやる人はいないのです。
自分でもなぜ麻雀なんかに興味を持ってしまったのかよく分かりません。
麻雀のルールを知ったのは中学の時ですが、このゲームは自分には向くと本能的に感じ取ったのだろうと思います。
1年に1回やるかやらないかくらいで全半荘20局前後で、麻雀雑誌で点数を覚えて、いきなりフリー雀荘へ行ったのですから、考えてみると我ながら変人ですよね。
フリーへ行くのは最初は怖かったですが、それくれい麻雀がやりたかったのですね。
さて今回は心眼の麻雀山を透視して勝つ技術をレビューします。
定価 1400円+税
ページ数 207
出版社 洋泉社
著者 成岡明彦
編者 福地誠
初版第1刷発行 2016.4.18
対象 麻雀中上級者
この本を書店で見かけたのは4月の半ば頃でした。
成岡明彦っていう人は知らなかったのですが、表紙を見て中身をパラパラって見て、この人どんな麻雀打つんだろうなと思い購入しました。
洋泉社出版で、編者が福地誠ということもあり、作り的にはホーリー本に似ています。
略歴をみますと成岡さんは兵庫県出身で、101競技連盟に所属し、名翔位3回、八翔位2回、翔龍位2回と輝かしい実績を持っています。
1回でもタイトルを取るというのは大変なことですからね。
将棋界に例えたら、常にタイトルを持っている羽生名人や渡辺竜王くらいの存在だと思います。
この本を読むのには3週間掛かりましたが、著者は相当頭がいいというのが第一印象でした。
成岡プロの打ち方は場況に応じて曲線的で、ホーリーの打ち方とは対照的だと思いました。
この本は主に101ルールという特殊なルール設定で、我々フリー客や天鳳ユーザーには馴染みがないため少し修正して考えなければなりませんが、タイトルにあるように山読みということではどんなルールでも生きますから、この麻雀は研究してみる価値は十分にあると思いました。
捨て牌から相手の手牌の偏りを推測し、見えていない牌(山)を推測し、それを受け入れるように打ち回すというのが成岡プロの打ち方です。
それだけでも高度な技術なのに、凄いのはそれに信念持っているところです。
成岡麻雀はプロ間でも評価が高いですが、こういうところがそうなんだろうなと思いました。
例1)
p129、の問題です。
30000点持ちの上がり連荘、一発裏赤なしのルールで、南場の親でトップですが、今三筒をツモりメンツが余っているところです。
ここからどのターツを落としていくかと言われたら、普通は一索二索のペンチャンを払うと思います。
ドラ絡みターツとリャンメンターツはただのペンチャンターツより価値が高いと思われるからです。
しかし成岡プロの場合は誰も三索を使っていないことを読み、四七索より勝ると判断し、五索六索を落としていくのです。
そしてしっかりと上がりきりますが、これ結構凄くないですか。
これはチーテンにも取れる形ですから、三索が3枚残っていたとしても五索六索を残す方が確実性は高いと思うのですが・・・・
読み以上にそれを信じて実行できるところが凄いと思いました。
例2)
p33、の問題です。
これも101ルールですが、私なら九索に手を掛けると思います。
しかし成岡プロは打点を見て六索に手を掛け、結果としてトイトイ三暗刻に仕上げてしまうのです。
ちょっと真似できない手順でした。
成岡プロは七対子を狙うのが得意みたいですが、山読みと七対子は確かに愛称がいいなと思いました。
私も七対子は決して嫌いではないのですが、中々イーシャンテンからテンパイにならずに、そのうちリーチが掛かって降りというケースがほとんです。
七対子はそれだけでもハネ満になる可能性を秘めていますから、待ちを選べることもありテンパルと大好きなのですが、そこまでいくのが結構難しい感じです。
私の場合七対子は偶然の産物で、メンツ手と両天秤に掛けることの方がほとんどですが、成岡プロはそんなことはしないで、山読みで直接七対子を狙うというところがまた凄いところです。
他にも手バラな時は手が入っている風の捨て牌を作るとか、スジでトイツや暗刻を固めて相手の山読みを狂わせるといったことが私にとっては真新しいことでした。
随分麻雀はやってきたつもりですが、まだ知らないことはあるもんだなと思いました。
この本は私から見たらかなり評価が高いです。
著者がどんな麻雀を打つのか十分に伝わって、且つ得るところが多かったからです。
個性的な麻雀っていうのは結構勝つのが難しいのですが、それでこれだけの実績が出せて、その中身が見れるというのは大変有り難いことです。
この本を読み終えて天鳳を打ちました。
この局面成岡プロだったら七対子を狙ってもおかしくないななんて考えながらも、私はどうしても九筒に手がいってしまいます。
しかし七対子は裏ドラを見ると分かるように破壊力があるんですよね。
私の場合は1000点に仕上げてお終いです。