心眼の麻雀山を透視して勝つ技術レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

 

連休中に久しぶりに竹馬の友と遊びました。

その人は麻雀をやったことがない人なのですが、面白味を味わってもらいたく気が進まないにも関わらず強引に1から教えようとしましたが、半日で挫折しました。

理牌から大変そうで、なによりも興味とやる気がなければ無理でした。

ちょっと悪いことしたかなと思いました。

 

思えば私の回りで麻雀をやる人はいないのです。

自分でもなぜ麻雀なんかに興味を持ってしまったのかよく分かりません。

麻雀のルールを知ったのは中学の時ですが、このゲームは自分には向くと本能的に感じ取ったのだろうと思います。

1年に1回やるかやらないかくらいで全半荘20局前後で、麻雀雑誌で点数を覚えて、いきなりフリー雀荘へ行ったのですから、考えてみると我ながら変人ですよね。

フリーへ行くのは最初は怖かったですが、それくれい麻雀がやりたかったのですね。

 

さて今回は心眼の麻雀山を透視して勝つ技術をレビューします。

 

定価 1400円+税

ページ数 207

出版社 洋泉社

著者 成岡明彦

編者 福地誠

初版第1刷発行 2016.4.18

対象 麻雀中上級者

 

この本を書店で見かけたのは4月の半ば頃でした。

成岡明彦っていう人は知らなかったのですが、表紙を見て中身をパラパラって見て、この人どんな麻雀打つんだろうなと思い購入しました。

洋泉社出版で、編者が福地誠ということもあり、作り的にはホーリー本に似ています。

 

略歴をみますと成岡さんは兵庫県出身で、101競技連盟に所属し、名翔位3回、八翔位2回、翔龍位2回と輝かしい実績を持っています。

1回でもタイトルを取るというのは大変なことですからね。

将棋界に例えたら、常にタイトルを持っている羽生名人や渡辺竜王くらいの存在だと思います。

 

この本を読むのには3週間掛かりましたが、著者は相当頭がいいというのが第一印象でした。

成岡プロの打ち方は場況に応じて曲線的で、ホーリーの打ち方とは対照的だと思いました。

この本は主に101ルールという特殊なルール設定で、我々フリー客や天鳳ユーザーには馴染みがないため少し修正して考えなければなりませんが、タイトルにあるように山読みということではどんなルールでも生きますから、この麻雀は研究してみる価値は十分にあると思いました。

捨て牌から相手の手牌の偏りを推測し、見えていない牌(山)を推測し、それを受け入れるように打ち回すというのが成岡プロの打ち方です。

それだけでも高度な技術なのに、凄いのはそれに信念持っているところです。

成岡麻雀はプロ間でも評価が高いですが、こういうところがそうなんだろうなと思いました。

 

例1)

naruoka9

p129、の問題です。

30000点持ちの上がり連荘、一発裏赤なしのルールで、南場の親でトップですが、今三筒をツモりメンツが余っているところです。

ここからどのターツを落としていくかと言われたら、普通は一索二索のペンチャンを払うと思います。

ドラ絡みターツとリャンメンターツはただのペンチャンターツより価値が高いと思われるからです。

しかし成岡プロの場合は誰も三索を使っていないことを読み、四七索より勝ると判断し、五索六索を落としていくのです。

そしてしっかりと上がりきりますが、これ結構凄くないですか。

これはチーテンにも取れる形ですから、三索が3枚残っていたとしても五索六索を残す方が確実性は高いと思うのですが・・・・

読み以上にそれを信じて実行できるところが凄いと思いました。

 

例2)

naruoka1

p33、の問題です。

これも101ルールですが、私なら九索に手を掛けると思います。

しかし成岡プロは打点を見て六索に手を掛け、結果としてトイトイ三暗刻に仕上げてしまうのです。

ちょっと真似できない手順でした。

 

成岡プロは七対子を狙うのが得意みたいですが、山読みと七対子は確かに愛称がいいなと思いました。

私も七対子は決して嫌いではないのですが、中々イーシャンテンからテンパイにならずに、そのうちリーチが掛かって降りというケースがほとんです。

七対子はそれだけでもハネ満になる可能性を秘めていますから、待ちを選べることもありテンパルと大好きなのですが、そこまでいくのが結構難しい感じです。

私の場合七対子は偶然の産物で、メンツ手と両天秤に掛けることの方がほとんどですが、成岡プロはそんなことはしないで、山読みで直接七対子を狙うというところがまた凄いところです。

 

他にも手バラな時は手が入っている風の捨て牌を作るとか、スジでトイツや暗刻を固めて相手の山読みを狂わせるといったことが私にとっては真新しいことでした。

随分麻雀はやってきたつもりですが、まだ知らないことはあるもんだなと思いました。

 

この本は私から見たらかなり評価が高いです。

著者がどんな麻雀を打つのか十分に伝わって、且つ得るところが多かったからです。

個性的な麻雀っていうのは結構勝つのが難しいのですが、それでこれだけの実績が出せて、その中身が見れるというのは大変有り難いことです。

 

2016.5.15.1

この本を読み終えて天鳳を打ちました。

この局面成岡プロだったら七対子を狙ってもおかしくないななんて考えながらも、私はどうしても九筒に手がいってしまいます。

しかし七対子は裏ドラを見ると分かるように破壊力があるんですよね。

 

2016.5.15.2

私の場合は1000点に仕上げてお終いです。

 

心眼の麻雀山を透視して勝つ技術

天鳳 公式完全攻略読本 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

最近場代チャラさんに触発されて、天鳳をやり込んでいました。

場代チャラさんはもともとはリアル派で、数ヶ月前に天鳳をやり始め、すごい勢いで昇段しています。

リアル寄りということと、天鳳は私の方が早く始めたので、勝手に対抗意識を燃やしていました(笑)

確変がきてくれたこともあり、お陰様で六段へ復帰することができました。

 

rokudann

しかし天鳳のガチってきついですね。

 

2015.9.17.1

今月も順調と言えば順調なのですが、もうここまでという感じです。

この配分はきつすぎて私には無理そうです。

相当に打数をこなせばもしかしたら何とかなるかもしれませんが、五から六段へ復帰するのに9ヶ月くらいかかったことを考えると、先が長すぎてもういいやとも思えてしまいます。

場代チャラさんも一回六段で降段を経験し、私と同じような奇跡を辿って今大体同じようなところにいますが、きっと私を超えて鳳凰卓入りすると思います。

天鳳では一回当たりましたが、今度リアルでやってみたい相手です。

 

さて今回はオンライン対戦麻雀天鳳公式完全攻略読本をレビューしようと思います。

 

定価 1400円+税

ページ数 223

出版社 洋泉社

著者 ネマタ

編者 福地誠

初版第一刷発行 2015.7.28

対象 天鳳プレイヤー

 

ネマタとは現役の僧で、現代麻雀技術論の著者です。

福地誠とは麻雀ライターで、天鳳名人戦にも出ており、雀ゴロ歴もあります。

二人はこの本に限らずよく麻雀本を出版しており、その都度よく売れています。

今回は天鳳に特化した本ということで、対象を麻雀ではなく天鳳とかなり絞り込んでいます。

 

内容は上級卓攻略、特上卓攻略、鳳凰卓攻略、天鳳特化と四編に分かれています。

上級卓攻略、特上卓攻略は更に10個くらいのテーマに分かれており、左ページが説明、右ページが牌姿とその解説、テーマが終わる毎に確認ドリルといった感じです。

鳳凰卓攻略は天鳳位8人の鳳凰卓を勝ち抜くための訓戒みたいなことが書かれています。

天鳳特化は天鳳に特化した段位別の押し引き表と、ラス回避のための何を切る問題があります。

そして所々に天鳳プレイヤー図鑑とコラムがあります。

 

この本を読み終えた正直な感想は、そんな事知ってるよというな内容のものばかりでした。

これで完全攻略というのは、大分行き過ぎているよな気がします。

逆によく恥ずかしくもなく、天鳳完全攻略なんて付けれたなと思いました。

売れれば何でもいいという考えなのでしょうかね。

 

完全攻略というのはそもそも、対象がソフトなんかに使われる表現であって、人相手には当てはまらない表現です。

天鳳完全攻略ということは、7~8割方は麻雀完全攻略と言っているようなものです。

この本に正しいタイトルを付けるなら、天鳳上達のための基礎知識とか、天鳳上達のための覚えておくべき牌姿とかいったものがふさわしいです。

 

これで完全攻略と言ってしまえば、もう何も言う言葉がありません。

評価に値しないというのが評価になってしまいます。

 

これを読んで上級卓の人が十段や天鳳位になれますか?

それも再現性を考慮して何回もです。

そういう人が量産できるなら、この本をもって完全攻略と言ってもいいと思いますが、はっきり言って無理ですよね。

 

それでも敢えて「天鳳完全攻略」という言葉をタイトルに含めるなら、せめて上級卓攻略、特上卓攻略、鳳凰卓攻略3巻に分けて、もっと詳しく立体配図でポイントを具体的に解説するべきです。

例えば特上卓攻略なら、鳴き手やヤミテンに対する押し引きが重要だと思われますが、そういった局面をピックアップして具体的に解説するといった感じです。

 

2015.9.17.2

適当に私の牌譜の中からピックアップしましたが、こんな局面で今西をツモったところですが、親でももう上家の仕掛けに対して降りなければならない局面です。

上家が字牌が一枚も切っていないのと、赤五筒が不気味すぎます。

こちらは手がバラバラで、間違っても字牌は切ってはいけません。

 

2015.9.17.3

私は対面のスジの七萬を落とし降り発動です。

手牌を開けて見ると上家はほとんど字一色ですね。

 

2015.9.17.4

ハイテイで対家が六索をつもり、発を切って放銃してしまいましたが、本当はここも三萬か五萬を切って降りるべきところなのです。

もう通っていないスジは限りなく少なく、待ちはどう考えても字牌くらいしかありません。

いくらテンパイ料が欲しいとは言え、これは当たるに決まっています。

 

麻雀の次の一手というのはある程度好みで自由に選んでいいと思いますが、麻雀にはこの局面これは絶対に切ってはいけないという手が存在します。

この局面はその好例だと思います。

 

こんな感じで押し引きのポイントとなる局面をピックアップして、解説してやる方がよほどためになると思います。

 

この本は天鳳完全攻略本として見たら全然ダメですが、麻雀の基礎を作る或いは確認するといったことには打て付けだと思います。

昔フリーでおっさんに「あんた持ち時間が長いよ。」と言われたことがありますが、昔は自分も基礎ができておらず、よくイーシャンテンかリャンシャンテンで何を切るか悩んでいました。

この本はそういったよく迷いそうな牌姿が感心するくらい詰め込まれており、私は基礎の確認といった使い方をしようと思っています。

いくつか例を見ていきます。

 

P27 牌2

二二三七八九②④⑥⑥⑦⑧23

ここで何を切るかということですが、雀頭を残す打三が正解となっています。

当たり前ですが、重要な例だと思います。

 

P158「打数は正義」

9代目天鳳位就活生@川村軍団の言ったことですが、これは中々の名言だと思いました。

 

P169

南三局 ドラ九  ほぼ平たい場の親の手

五1113337788 ツモ7

ここで何を切るかという問題ですが、ほとんどの天鳳位は切りリーチと答えていました。

私の感覚では四切りダマの一手(ツモスー、ロンなら12000で十分)なのですが、そう答えている天鳳位は一人もいませんでした。

しかし切りリーチは感触が悪すぎて絶対真似できませんね(笑)

 

天鳳 公式完全攻略読本

強者の最新手筋100 レビュー

こんにちは、DIOBRANDOです。

先日とある雀荘で場代チャラさんと出くわしました。

私と入れ違いになる形で着卓していましたが、大きな笑みを浮かべており、その姿には余裕が感じられました。

この人きっと勝つんだろうなと思い、後にしました。

 

さて今回は「ネット麻雀完全対応! 強者の最新手筋100」をレビューしようと思います。

 

定価 1490円+税

ページ数 230

出版社 マイナビ

著者 比嘉秀仁

初版第一刷発行 2015.6.30

対象 上級者(天鳳七段以上)

 

比嘉秀仁とは日本プロ麻雀協会所属のプロで、本名をIDにして天鳳もやっておられ、十段経験者でもあります。

私がこのプロを知ったのも天鳳からですが、本名をIDにしているところが面白いなと思い、好感を持っていました。

他にも本名をIDにして天鳳を打っているプロがいますが、結構リスクがあって中々できることではないと思います。

 

この本はネット麻雀天鳳とリアル麻雀フリーの中から100の局面を厳選し、立体配図のまま天鳳で実績を出されている方々に、次にどうするかを答えて貰うという珍しい形式になっています。

1題につき回答者は3人います。

 

テーマを立体配図にするというのは、麻雀を扱う上では重要なことだと思います。

同じ手牌でもどう捌いていくかは、場況によって異なりますからね。

ホーリー本も雀ゴロK本も平面図でシンプルにしすぎている嫌いはありましたが、この本はその点がしっかりしています。

 

またネット麻雀を中心に扱われた本というのも、今まで無かったのではないでしょうか。

ベタオリをテーマにした次の一手問題なども珍しいと思いました。

 

いろいろ斬新な試みが感じられ、独創性のある麻雀本だと思いました。

きっと本人も今までになかった物を作りたかったのではないでしょうか。

 

しかし扱われているテーマですが、非常に難解な局面が多く、回答者でも意見が分かれていました。

やはり麻雀に限っては感性も重要で、答えは一通りではないというのが改めて分かりました。

考えるべきポイントは大体一致しているのに、なぜ回答は異なるのか、麻雀の不思議なところです。

きっとそれぞれの感覚でバランスを取っているのだと思います。

 

この本は麻雀上級者向けです。

天鳳ですと七段以上で、鳳凰卓で成績が伸び悩んでいる人とかが対象です。

 

2015.8.17d1

ちなみに私は相変わらず五段ですが、私にとっては難しく返って劇薬です。

ぶっちゃけ私くらいの雀力でしたらどっちでもいいのです。

 

もっと切り詰めるべきところは他にあります。

例えば以下の局面です。

2015.8.17d2png

オーラスの親でラスを回避したい局面です。

ラス争いの上家からリーチが入っており、ツモは後一回で七筒を持ってきたところですが、あなたなら何を切りますか?

 

2015.8.17d3png

よくよく考えたら、喰ったゲンブツの四萬を切っていくより無さそうですが、私は七筒をツモ切って放銃してしまいました。

こちらの方がテンパイになる確率は高いと踏んだのですが、さすがに危険過ぎました。

次の私のツモが五索だったのが悔やまれる一局です。

 

このように特上卓くらいの人であれば、上級者でも意見が分かれるような難問は必要なく、単純にケアレスミスを無くすように努めた方が勝率が伸びると思います。

 

 

具体例を挙げますとP175

東一局 2巡目 西家

二三三五④⑤⑥⑦⑦⑧⑨8発 8ツモ ドラ発

東初の平たい局面で8をツモり、2巡目にして早くもイーシャンテンという手牌で何を切るかという問題で、回答者は全員発切りで一致していました。

 

しかし私の感覚では⑦を切る一手なのです。

この手牌で発を鳴かれても嫌ですし、後で被っても嫌です。

親でもなく赤も無い打点の安いこの手牌なら、発を絞り気味に打ちたいです。

その後に一が入ったら発切りダマ、四が入ったら発切りリーチです。

これも一理ある考えだと思います。

 

どちらが正しいとかではなく、その後に打牌のスジが通るようにバランスを保って打てればそれでいいと思います。

要は好みの問題だとということです。

 

2015.8.17d4png

上述の牌姿によく似た手が入りました。

この本を読む前でしたら、私なら多分八筒を切っていたと思います。

しかし上述の問題が頭をよぎり、中を切るものなのかな?と思い中を切ってしまいました。

 

2015.8.17d5png

すると2巡目に中をツモり、五巡目にも中をツモりやるせなかったです。

 

劇薬というのはつまりこういう事で、自分の打ち方にぶれが生じてしまうのです。

ある程度自分の打ち方が確立されている(中級者で天鳳なら特上卓クラス)なら、ほとんど好みと取れるようなところは置いておいて、それよりもミスをしないように心掛けた方がよほど重要かと思います。

 

鳳凰卓クラスになって、もうほとんど切り詰める所がなくなってきた時は、この本はもしかしたら新たな道しるべになってくれるかもしれません。

 

強者の最新手筋100